Kaiserslautern工科大学、スペクトラム社の新しいDDSファームウェアオプションで量子コンピュータ開発を加速
スペクトラム社のAWGカードを光ピンセットとして使用し量子ビットとして機能する原子の配列を行う
デジタイザなどの計測機器メーカであるスペクトラム・インスツルメンテーション社(本社ドイツ・グロースハンスドルフ/以下、スペクトラム社)は、RPTU Kaiserslautern工科大学が同社の新しいDirect Digital Synthesis(DDS)ファームウェアオプションの使用により量子コンピュータ開発を加速させたことを発表しました。量子コンピュータを作る方法は数多くありますが、Rymax Oneの共同研究において、RPTU Kaiserslautern工科大学は、量子ビットとして機能する単一原子の配列を作るというアプローチを採用しています。この方法では、各原子を正確な位置に転送し保持することが課題となりますが、各原子にレーザを照射し、それをレーザビームの中心にトラップすることにより、光ピンセットとして効果的に機能させています。しかし、ビームの各動作を1つずつ制御するには、従来の方法では大量のプログラミング、及び膨大なデータが必要でした。今回、スペクトラム社の新しいDirect Digital Synthesis(DDS)ファームウェアオプションを使用することにより、時間のかかる大規模な配列計算を行う代わりに、開始と停止のパラメータを定義するいくつかの簡単なコマンドでレーザの位置を制御できるようになり、大幅に改善されました。